経済学の世界と現実世界が乖離している理由

経済学の世界と現実世界が乖離している理由

皆さん、経済学の書籍は読んだことがあるでしょうか?私はよく読んでいました。経済学は非常に論理的な学問で、そのような考え方が好きな方や身に着けたい方にはピッタリだと思います。又、日済新聞などに書いている経済の記事で、政府や日銀が行う様々な施策の実施理由が分かってきて面白い学問です。初心者でも読めるものはたくさんあります。さて、読んだことがある方は、必ず疑問に感じた部分があると思います。私も最初は非常に感じました。それはというと、「こんな完璧な世界ないだろ…」ということ。今日はその疑問にお答えします。

 

目次

1.経済学が仮定する極端に完璧な世界の例

2.経済学が極端に完璧な世界を仮定する理由

経済学の世界と現実世界が乖離している理由

1.経済学が仮定する極端に完璧な世界の例

経済学の独特な世界といえば、「物価に伴って、綺麗に需要と供給が均衡する」、「政府支出は一定と仮定する」など、挙げたらキリがありません。

それも『様々な情報をすべての人が完全に知っていて、それを加味した合理的な意思決定をする世界』を仮定しています。

現実世界では、売れ残りもあれば逆もしかり、又、政府支出は一定なわけがありません。

しかし、そのような要素を無視し、経済学は完璧で極端な世界を扱っています。

では、経済学を学ぶことは役に立たないのでしょうか?というと、そうではありません。

 

2.経済学が極端に完璧な世界を仮定する理由

経済学は分かりやすく単純化するために、完璧な世界にして考えているのです。

ここでは、2つご紹介します。

①平均値があれば大丈夫

まず、以下の2つの世界を比べてみましょう。

【経済学の世界】:あらゆる情報の全てを知っていて、それをもとに意思決定をすると仮定する世界

【現実の世界】:あらゆる情報を知っている人もいるし、少しだけ知っている人もいて、全く知らない人もいるという世界

 

この2つの世界では「ある出来事(物価上昇など)に対する人々の反応は、程度の差はあれど、同じ方向」です。

何故なら、後者の『現実世界』では、物価上昇などがあった時に、少なくとも情報を知っている人はそれを加味した行動をとるからです。

知らない人は、そもそも情報がないわけですから、今までと行動をあまり変えないでしょう。

そうすると、情報を知っている人が変えた行動分だけ、経済が動くわけです。

これは、すべての人があらゆる情報を知っている完全な世界を仮定する『経済学の世界』の動きと同じ方向です。

平均値があれば大丈夫

 

そして、経済学には『限界消費性向』や『平均消費性向』など、過去の現実データが存在します。

現実データは、合理的な人とそうでない人の両方が混じったものから生じた『結果』です。

これらのデータと、経済が動く方向がわかれば、何かの施策によってどの程度の効果が表れるかを予想することができます。

平均値があれば大丈夫

②ある出来事の影響だけを取り出したい

例えば、日銀が金融緩和を行った時、それがどのように経済へ影響を与えるのかを検討したいとします。

これに対する答えとして、一般的には、①市場に出回るお金が増えて、②利子率が低下し、③投資が増加することで経済が活性化すると考えられています。

しかし、利子率は、日銀の金融緩和以外の影響を日々受けています。

それらを加味しようとするとキリがありません。

よって『現実世界』では、金融緩和以外の要因はたくさんあるけれど『経済学の世界』では、それを無視することで、知りたいことを知ろうとしているのです。

いいかえれば、無数にある引き出しから、取り出したいものが入っているところだけを引き出せば、それでいいわけです。

ある出来事の影響だけを取り出したい

 

尚、仮に、厳密に分析したい方は、完璧な世界という仮定を複雑な現実世界に置き換えればいいのです。

つまり目的によって、想定する世界をかえればいいだけです(非常に散らかって大変だと思いますが…)。

 

 

いかがでしたでしょうか?

経済学で語られる政府や日銀の各種施策は、非合理的な人に対しては全て無意味といってもいいでしょう。

そのような非合理的な人は対象とはせず、合理的な人のみに向けた施策の効果を検証する学問なのです。

経済学ではそれ以外にもさまざまな極端な仮定を設定して、分析をします。

それは全てわかりやすくするためです。

このような背景を捉えた上で、ぜひ経済学の本を読み返してみて下さい。

随分とスッキリ読めると思います。

 

本日の気づき

・経済学は分かりやすく単純化するために、完璧な世界や種々の仮定を設定する

・極端な世界や種々の仮定をおいても、政府や日銀が行う施策の効果に経済がどのように反応するかをを知ることはできる

・より厳密に現実に即した分析をしたければ、各人が事由に仮定を緩和すればいい

 

 


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