商圏強度法の式・データ収集や利点・欠点【商圏モデル解説】

商圏強度法の式・データ収集や利点・欠点【商圏モデル解説】

今日は『商圏強度法』について、解説していきます。皆さんは『商圏』と聞いてどのように求めればいいか分かりますか?私が調べてみた所、現状、商圏の絶対的な求め方はありません。さらに、モデルによって、同じ『商圏』という言葉でも、その意味する所は様々です。今日は第一弾として『商圏強度法』の式・データ収集方法、そして、利点・欠点について解説し、「『商圏強度法』で商圏区分を求める目的は一体何なのか」というところまで踏み込んでいきたいと思います。

 

目次

1.商圏強度法の式

2.商圏強度法に必要なデータの収集方法

3.商圏強度法の利点と欠点

 

気づき村

商圏強度法の式・データ収集や利点・欠点【商圏モデル解説】

1.商圏強度法の式

商圏強度は『西都商工会議所 経営指導員による経営に役立つコラム:http://www.miyazaki-cci.or.jp/saito/koramu2009-3.html』によると、以下の式で算出します。

$$商圏強度=\frac{来店客数/来店客数合計}{人口/人口合計}$$

$$商圏強度=\frac{来店構成比}{人口構成比}$$

※人口は世帯数でも構いません。

 

上記の式で算出した商圏強度を、画像①のように区分します。

具体的には『地域の来店客構成比』が『地域の世帯数構成比』の『2倍以上』ならば、よく来店してくれる人が多い地域といえるので『1次商圏』に区分します。

そして『1倍以上2倍未満』なら、概ね『地域の世帯数構成比』分しか来店していないということなので、可もなく不可もない『2次商圏』に区分します。

『0.5倍以上1倍未満』なら『地域の世帯数構成比』に比べて、来店客数が少ないため『3次商圏』に区分します。

『0.5倍未満』なら『地域の世帯数構成比』に比べて、来店客数が極端に少ないため『商圏外』に区分します。

画像①

商圏強度法の式

 

商圏強度を算出する際は、先ほどの以下のリンクにあるような表を作成して算出するといいでしょう。

『西都商工会議所 経営指導員による経営に役立つコラム:http://www.miyazaki-cci.or.jp/saito/koramu2009-3.html

 

ちなみに、この商圏強度に対する商圏区分は、決めの世界です。

例えば『2倍以上』なら『1次商圏』に区分することが本当に正しいのかは誰もわかりません。

しかし、全ての地域を同一とみるのではなく、商圏区分という形で分けることに非常に意義があるのです。

この点は後述します。

 

2.商圏強度法に必要なデータの収集方法と集計時の注意点

商圏強度法に必要なデータの収集方法

 

①データの収集方法

さて、商圏強度を算出するために必要な世帯数や人口のデータですが、『国勢調査』や『各県のホームページ』などから取得します。

 

次に、来店客数ですが、これは来店客の住所がわかる資料がなければいけません。

例えば、『ポイントカード』を集計などによる方法があります。

標本数をしっかりと確保することと、ランダムサンプリングを意識しなければ、正確な商圏強度は算出できないので、注意が必要です。

②集計時の注意点

集計する際は、まず自店の周辺の『国勢調査』などのデータで、地域の分け方を確認するようにしましょう。

そして、その分け方で『ポイントカード』などを地域別に集計すると効率的です。

最後に、必要であれば、自店の周辺以外で来店客が多い地域を個別に世帯数を調査していきましょう。

 

中にはかなり遠方から、たまたまきた来店客なども沢山います。

そのようなものまで、全て拾って、その地域の世帯数を調べていてはキリがありませんので、〇名以上来ている地域だけにするなど、線引きをしましょう。

 

3.商圏強度法の利点と欠点

ここまでで、商圏強度法の概要について説明してきましたが、ここからが本題です。

商圏強度法の式を丸覚えして、そのまま使ってもあまり意味がありません。

商圏強度法を使うことの利点と欠点について解説していきます。

①商圏強度法の利点

『商圏強度法』は来店客数から商圏区分という『結果』を算出するための手法です。

他にも商圏モデルは沢山ありますが、その中には『結果』ではなく「ここに出店すればこのような商圏を形成するだろう」という『予測』をするためのものもあります。

上記の『商圏強度法』の特徴はまず抑えておきましょう。

 

さて、先程、全ての地域を同一とみるのではなく、商圏区分という形で分けることに非常に意義があると書きました。

これは『1次商圏』『2次商圏』『3次商圏』『商圏外』というように、商圏を区別することで、それぞれの商圏に合ったアプローチをとることができるようになるためです。

例えば『1次商圏』には顧客の流出防止にかかる広告を、『2次商圏』には競争店と差別化する広告を、『3次商圏』や『商圏外』には自店の存在をアピールする広告を打つなど、それぞれの商圏にあったアプローチが可能となります。

商圏強度法に必要なデータの収集方法

 

反対に、全ての地域を同一として見た場合、本来、以下の商圏に区分されるべき地域に、有効ではない広告を打ってしまう可能性があります。

【1次商圏】:既に来店してくれている人が沢山いるため、自店の存在をアピールしてしまうと、広告費の無駄になる

【2次商圏】:競合店を意識していない広告を打つと、競合店と同じ商品を広告に載せてしまい「それは既に近くにある〇〇店で買っているからいいよ」となってしまう

【3次商圏・商圏外】:殆ど来店客がいないため、商品にスポットを当てた広告を打った場合「そもそもこのお店はどこの何ですか」となってしまう

 

上記の例はあくまで推測で、実際に広告を見た人がどう感じるかはわかりません。

しかし、きちんと商圏を区別して「この商圏区分に居住している人達には、このような広告を打ったほうがいいのではないか」と仮説を立てることはとても有意義なことです。

そして、それを実践・検証し、次の広告に活かすことで、広告の効果は向上していきます。

忘れてはいけないことは、実践した後に検証することです。

数学のように、絶対的な正解が広告にはありません。

そのため、やる前から最善の手を打てるとは限りませんが、実践した後の効果を検証することで「こういう広告を打てば、こういう効果がでる」ということがわかってきます。

そのノウハウが貴重な財産になっていきます。

 

一度『商圏強度法』で商圏区分を把握したら、それに基づいて広告などの戦略を実行し、一定期間後にもう一度『商圏強度法』で商圏区分を把握してみるのも面白いかもしれません。

戦略実行の前後で、自店の商圏区分がどのように変化したのかを確認することができます。

 

※この場合、例えばもともと『1次商圏』であった地域が『2次商圏』にランクダウンすることもあります。しかし、ただ単に他の地域の来店客構成比が上昇したことが原因で、ランクダウンした地域の来店客数自体は変わっていないといったことも考えられるので、注意して分析しましょう。

②商圏強度法の欠点

最後に商圏強度法の欠点についてです。

これは、買回品や専門品を扱う店の場合、あまり効果的な商圏区分ができないことです。

商圏強度法の欠点

 

『販売士ハンドブック(発展編)④マーケティング』には、以下の記述があります。

【最寄品】:購買頻度が高く、買い物費用をかけたくない商品である。・・・最も購買距離が短く、便利な場所で購入しようとする

【買回品】:買い物に出かけるときは、どの商品を購入するかを決定しておらず、消費者が豊富な品揃えを見て歩いているうちに商品についての情報を獲得し、比較検討したうえで購入しようとする商品である。・・・買回品の場合、遠方まで買い物のコストをかけて行くことを厭わない

【専門品】:消費者があるブランド、ある小売店の販売する商品に特別の、ほかの商品では代替できない愛顧を持っている商品である。そのため、それを購入しようとする消費者は、かなりの購買努力を払うことを厭わない商品である。したがって、専門品を販売する小売店には、来店客数は多くなくともかなり遠方からの顧客が来店することになり、密度は低いが広い商圏を持つ

 

このことから、買回品や専門品は特定の地域に来店客が集中しているとは考えにくいため、来店客数をもとに商圏を区分すること自体にあまり意味がないということです。

このような場合、特定の地域というより、広い範囲へ自店の存在や商品をアピールすることが望ましいのかも知れません。

 

 

いかがでしたでしょうか。

商圏強度法の式やデータ収集方法、そして利点と欠点について解説してきました。

商圏強度法の特性をよく理解して、使うようにしましょう。

 

商圏強度を算出したら、以下の記事を参考に『jSTAT MAP』で地図上に視覚化して見ましょう。

jSTAT MAPの完全マニュアル【基礎から応用まで】

 

実際に広告を打つ際は、以下の記事を参考にして見て下さい。

広告宣伝・商品開発の方法【goodkeywordが使える】

 

『本日の気づき』

・『商圏強度法』は来店客数から商圏区分という『結果』を算出するための手法である

・『商圏強度法』は、それぞれの商圏に適切にアプローチするために、全ての地域を同一とみるのではなく、商圏区分という形で分ける手法である

・それぞれの商圏にアプローチしたら、その効果を検証し、次のアプローチに活かさなければならない

・『商圏強度法』は、買回品や専門品を取り扱う店には有効に機能しない可能性がある

 

気づき村


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